金投資は「どこで買うか」が利回りになる — 現物・KRX・金ETF徹底比較
「危機のたびに金価格は上がる」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。実際、金は数百年もの間、インフレや通貨価値の下落をヘッジ(hedge)する資産として使われてきました。ところがいざ「金に投資してみよう」と思うと、道があまりに多いのです。鍾路の貴金属店で金地金を買うべきか、証券会社のアプリでKRX金市場を開くべきか、それとも金ETFを仕込むべきか。本稿は3つの方法のコスト・税金・利便性を数字で比較し、自分の状況に合った入口を見つける手助けをします。(参考情報であり、特定の商品の売買を勧めるものではありません。)
なぜポートフォリオに金を少し入れるのか
金はそれ自体では利息や配当を生みません。つまり「お金を稼いでくれる資産」というより「価値を保存する資産」に近いのです。ポイントは、株式・債券と価格が異なる動きをする傾向(低い相関関係)があるため、ポートフォリオ全体の変動性を下げる分散投資の手段として使われるという点です。例えば資産が1,000万ウォンで、株式700・債券200・金100万ウォンに分けて持てば、株式が大きく揺れる局面で金がクッションの役割を果たしてくれます。ただし金も短期の変動性が大きい資産なので、「安全資産だから絶対に下がらない」というのは誤解です。
方法1 — 現物の金(金地金・金貨)
目に見えて手に取れることが、最大のメリットであり同時にデメリットです。現物の金は買うときに付加価値税10%がかかります。つまり金の相場が100万ウォン分なら、買うときに約110万ウォンを払うことになります。これに貴金属店・銀行の加工費と販売マージン(通常5%前後)がさらに上乗せされ、売り戻すときには買取価格が購入価格より低くなるスプレッドがまた発生します。買った瞬間に相場比15%前後の損を抱えてスタートするようなものなので、短期の値ざやよりは「長く持ち続ける現物保有」に向いています。保管・盗難リスクはおまけです。
方法2 — KRX金市場(証券口座でg単位の売買)
韓国取引所(KRX)が運営する金の現物市場で、証券会社のアプリで株式のように1g単位で売買します。最大の魅力は税金です。KRX金市場で取引して生じた売買差益は譲渡所得税・配当所得税が非課税であり、金融所得総合課税にも含まれません。売買手数料は証券会社によって異なりますが、おおよそ0.2〜0.3%程度で現物よりはるかに安いです。例えば1gあたり10万ウォンのときに100g(約1,000万ウォン)を買い、1gあたり12万ウォンになった場合、差益200万ウォンに税金はほぼかかりません。ただし、買っておいた金を現物の金地金として引き出すと、その時点で付加価値税10%が課されます。
方法3 — 金ETF・金ファンド(指数・相場連動型商品)
金価格(あるいは金先物指数)に連動するよう設計されたファンドを、株式のように取引する方法です。少額で分散して持ちやすく、換金性が良いのがメリットです。その代わり運用報酬(年0.3〜0.7%前後)が毎年差し引かれ、国内に上場された金ETFの売買差益には配当所得税15.4%が課され、金融所得総合課税の対象に含まれる可能性があります。例えば差益が100万ウォンなら約15万4千ウォンが税金として出ていく形です。「為替ヘッジ型/為替ヘッジなし型」によってウォン・ドル為替の影響が変わる点も確認が必要です。
ひと目で比較 — コスト・税金・利便性
- 現物の金:買うとき付加価値税10%+マージン、保管の負担が大きい、売買差益は非課税だが参入・清算コストが最も大きい → 長期の現物保有型
- KRX金市場:手数料約0.2〜0.3%、売買差益は非課税・総合課税の対象外、1g単位の少額が可能 → 税効率が最も良い(現物引き出し時のみ付加価値税)
- 金ETF/ファンド:少額・分散・換金性に優れる、運用報酬は年0.3〜0.7%、売買差益に配当所得税15.4%が課税 → 手軽だが税金・報酬が発生
- 共通:3つとも利息・配当がなく価格変動リスクがあり、預金者保護(5,000万ウォン)の対象ではない投資商品
税金の差を数字で確認
同じ1,000万ウォンを入れて1年後に200万ウォン(20%)の差益が出たと仮定してみましょう。KRX金市場は売買差益が非課税なので、税金は事実上0ウォンに近いです。一方、国内の金ETFは差益200万ウォンに配当所得税15.4%が適用されて約30万8千ウォンが引かれ、税引き後の利益は約169万ウォンになります。現物の金は買うときにすでに付加価値税・マージンで15%前後を支払っているため、同じ相場の動きでも損益分岐点そのものが高くなります。同じ「金」でも、どの器に入れるかによって結果がかなり変わるわけです。
では誰に何が合うのか
- 税金・コストを最優先に効率よく貯めたいなら → KRX金市場(証券口座を開設して1g単位で分割買付)
- 少額で手軽に、他のETFと一緒に運用したいなら → 金ETF(運用報酬・配当所得税15.4%を考慮)
- 通貨システムそのものに対するヘッジとして「現物保有」に意味を置くなら → 金地金(参入・清算コストを長期保有で相殺)
まとめると、同じ金投資でもコスト構造と税金がまったく違うため、「入口の選択」がそのまま利回りの一部になります。一般的に税効率はKRX金市場が最も良く、手軽さはETF、現物の安心感は金地金が満たしてくれます。何を選ぶにせよ、金はポートフォリオの補助的な役割に置き、比率を小さく始めるほうが安全です。本稿は理解を助けるための参考資料であり、投資の勧誘や収益の保証ではありません。税率・手数料・商品条件は変動しうるので、実際の投資前に取引所・証券会社の開示と最新の税法を必ず確認してください。